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めっきによる金属と樹脂の強固な異種接合技術

熱可塑性/硬化性を問わない樹脂材料と金属材料とを、強固に接合する新技術です。
最大100MPa以上の接合強度を実現しており、自動車分野への応用が期待できます。

背景 

異なる特性を持つ素材を組み合わせる「マルチマテリアル化」は、製品の高機能化を実現する概念として注目されています。特に自動車分野では、軽量化のため重い鉄鋼材料から軽量なアルミ合金や樹脂への置き換えが進められており、異種材料の接合技術が関心を集めています。化学処理や熱による接合など、多様な接合方法が提案されていますが、接合強度が低い(~30MPa)ことや、接合できる材料が限られていることなどの課題が残されています。

発明概要と利点

発明者らは、金属めっきを接着剤代わりに利用することで、樹脂と金属とを強固に接合する技術を開発しました。樹脂を熱で溶かす必要がないため、母材の変質がなく、従来手法では難しかった熱硬化性樹脂も接合することが可能です。 Ø異種材料間での強力な接合自動車分野で需要が高いCFRP(エポキシ樹脂)+アルミ合金の組み合わせで、引張試験で50MPa以上、引張せん断試験で70MPa以上の接合強度を実現しています。また、表面処理条件を変えることで、最大139MPaの引張せん断強度が得られています。 Ø接合する素材は自由に選択可樹脂と金属の組み合わせだけでなく、異なる種類の樹脂同士や、接着性の低い樹脂の接合にも適用可能です。

図1 本発明の手法の模式図
金属材(例:アルミ合金)と樹脂材(例:CFRP)にそれぞれ表面処理を行ったのち、これらの部材の隙間をめっきで埋めることで接合する。

研究段階

  •  CFRP+アルミ合金の組み合わせで、従来手法より高い接合強度が得られた。 •実際の工業用部品に本手法を適用し、表面処理条件やめっき厚などの最適化を行っていただける企業様を募集している。

適応分野

  • 自動車・航空機分野 •電子機器分野 •土木・建築分野   など

希望の連携形態

  • 実施許諾契約 •オプション契約
    (技術検討のためのF/S)
    ※本発明は京都大学から特許出願中です。

ライセンス契約を受けていただき 本発明の実用化を目指していただける企業様を募集しています。ぜひ、お問い合わせください。

一見シンプルな技術ですが非常に強固な異種接合を実現することができ、
自動車や航空機、電子機器の軽量化など、さまざまな分野への応用を期待しています。

京都大学産学連携担当(株式会社TLO京都)担当:田中 悠和より

未来を模索している企業の皆さま、
京都大学にぜひご相談ください!