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【製品化ストーリーvol.4】
京大発明者×UHA味覚糖×TLO京都 対談

新機能性ペプチドの発明から「冴えるダイズ」が生まれるまで

〜偶然の縁が結んだ製品化〜

2020年12月、UHA味覚糖から「冴えるダイズ」という商品が発売されました。この商品はこれまでになかった大豆由来のメンタルサポート成分を含んだタブレット型健康食品です。そして、この成分のもとになったのが、京都大学の大日向准教授が発明した新しい機能性ペプチドです。今回は、その大日向先生と、「冴えるダイズ」の生みの親であるUHA味覚糖の松川氏、さらに、学と産の間に立ちこの発明の製品化をサポートしてきたTLO京都の藤田氏にも参加いただき、発明の経緯から製品化に至るまでの苦労などについて、振り返り語っていただきました。

画期的な新しい機能性ペプチドの発見

(藤田)それではまず発明が生まれたころのお話から伺いたいと思います。先生はペプチドというものを突き詰めて研究されていますが、ペプチド研究をするに至った理由などがあればお聞かせいただけますか?

(大日向)そうですね。ペプチドとは、2〜50個程度のアミノ酸がペプチド結合と呼ばれるもので結びついた化合物の総称なのですが、アミノ酸というのは20種類ありますのでその組み合わせは千差万別です。2個のつながりだけで400通り、3個の結合になると8000通りとなるわけで、これらのものすごいバリエーションをひとつひとつ見ていくと、そのほとんどが新規の物質と言えるほど新しい発見に溢れているんです。だからワクワクするんですよね。それでペプチドに着目して研究をしています。

(藤田)その中で、今回のテーマである、大豆タンパク質由来の機能性ペプチドの発明をされたわけですが、その過程での苦労などがあればお聞かせください。

(大日向)作業的にはタンパク質を消化して得られた消化物の中に含まれる何千というペプチドの中から良いものをピックアップしていくというものなんですね。これが効率的に上手くピックアップできないとたくさん探す羽目になるのですが、このときは比較的すんなりと、割とラッキーに見つかったという感じはあります。だから苦労はそれほどなかったですね。

(藤田)先生がこのペプチドを発見されたときは、「これは!」みたいな手応えがあったのでしょうか?

(大日向)「これは!」は、ありましたね。ピカイチの手応えした。

(藤田)ピカイチなんですね!?それは解析している中でデータを見て全然違うと?

(大日向)それはもう全然。まず既存の抗うつ薬と同じような活性があるかということを確かめたのですが、既存の抗うつ薬よりもはるかに低い容量で効果を示したんですね。かつ、注射ではなく、経口摂取するほうがより効くという特長があるとわかったんです。これは大きなインパクトがありました。

(藤田)何か名前はつけたのですか?

(大日向)ソイデプレスタチンっていう名前をつけました。ソイは日本語で「大豆」、デプレッションていうのが「鬱」なんですね。これを止めるっていうことで、ソイデプレスタチンと名付けました。

相性抜群の産学連携で製品化へ

(藤田)その発見をもとに学内の発明届を出されたということですね。

そこから我々TLO京都も関わらせていただき、この発明の実用化に向けて権利化(特許化)のサポートと産業界への紹介活動を開始させていただいたのですが、基本的には大学発の技術ということで、世の中により広く広めていただくっていう目的もありますので、まずはいろんなメーカーさん、いろんなセクターの方にお声がけさせていただきました。

その中でも特に今回は、テーマとしても抗うつや抗不安、認知症というところで社会的なニーズが高まっていましたので、企業様側からの反応がすごくよかったんですね。詳細は言えませんが十社ほどの手が挙がっていました。

その中でも、今後本当にきちんと開発して製品化を目指していただけるのか、信頼できるパートナーさんなのかどうかを、先生にもいろんな企業様とご面談いただきながら決定していったという流れですよね。

(大日向)そうですね。

(藤田)次にUHA味覚糖さんにお聞きしたいのですが、弊社のほうから今回の発明をご紹介させていただいたときに、ぜひ!と手を挙げていただきましたが、何か理由があるのでしょうか?

(松川)これは非常に面白い話なのですが、もともと私が大学院にいるときに、ちょうど大日向先生が民間の会社からウチのラボに移ってこられたんですね。だから大日向先生とはラボで一緒だったんです。

(藤田)ええっ!お知り合いだったんですか?

(松川)そうなんです。吉川正明教授という、機能性ペプチドの分野を開拓された先生の研究室があるんですが、そこの先輩だったんですよ。

(大日向)いや、入ったのは同じぐらいだったんじゃないかな。

(松川)年齢が先輩というだけですね。

(一同)

(松川)なので、TLO京都さんから京都大学の発明についての技術紹介を受けている中でこのテーマを見たときに、ぷんぷん匂ったんですよね。それで僕はもう、「この発明は絶対大日向先生のものだ!」と。

(藤田)見てわかったと!?

(松川)そう、発明者の名前は書いていなかったですが、もう匂ってくるんです。私としては大学院時代から大日向先生のことを知っていますから、あの先生の研究であれば間違いないと。当時から、さすが京大やなぁ〜というような非常にオリジナリティに溢れた研究をされていたのでね。それを感じていたから、このテーマはいけると思ったんです。だからすぐ手を挙げました。

それから、タイミングもよくて、UHA味覚糖としてもヘルスケア商品を拡大していこうとしていた時期だったんですよね。
飴やグミなどのお菓子しかしてこなかったUHA味覚糖ですが、当時の社長が、「次はヘルスケアの時代が来るぞ」と。「飴だけやっていてはダメだ」と指示を受けて、ヘルスケア事業部を立ち上げていたときでもありましたので。

(藤田)会社的にもちょうどいいタイミングだったんですね。

(松川)あと、もう一つなぜその分野を狙ったかというと理由があってですね。今日はちょっとネタを仕込んできてるんですけど、これ、昨年見つかった遺物なんですけど、私の就職ノート、 25 年ぐらい前のものです。このノートを偶然見つけて読んでいたら結構いいことを書いてあるんですよ。

私は一社目に乳業会社に就職したので、書いてあるのは乳業会社向けのアピールなんですけど、一部読みますね。

「乳素材は食品原料として重要な栄養源であるばかりではなく、高度な機能性原料であると私自身考えており、まだまだ秘められた可能性が潜在していると思います。これらの可能性を引き出し、消費者に受け入れられる形にすれば売れるし、社会の役に立つと考えます」

で、ここからですよ、「例えばアルツハイマー病を防ぐ乳製品、植物の生育を促すような製品ができたらとても面白いと思います」。

ね、これまさにピッタンコなんですね。大日向先生がされているように、食品原料に含まれる機能性成分でメンタルや認知力に影響を与えるっていう、まさに私が大学にいたころからやりたいと思っていた仕事、その社会実装がやりたかったので私は企業に就職したわけなんですが、それが何十年かぶりにマッチングできたんです!

(藤田)本当にぴったりですね。

(大日向)うんうん。

(松川)そうですよね。ですから先生の考えていること、背景にあることも理解できて、だから上手くいくという予感みたいなものもあったんですよ。

(藤田)ああーなるほど。

(松川)で、先生が研究、私が産業、みたいな。

(大日向)役割は違うだけで同じ方向を目指していますものね。

(藤田)話は少し戻りますが、当時は本当にいろんな企業様からお問い合わせがあって、パートナー企業としてUHA味覚糖さんに決定するまで大日向先生にはたくさんの企業の担当者と面談いただいたと思うのですが、そういった状況は正直大変ではなかったでしょうか?いろんな人を連れてきやがって、とかそういうのは(笑)。

(大日向)いやいや、そういうのはまったくなくて(笑)。私はそういう面談が好きなんですよ。どう実用化していくのか、どういうニーズがあるのか、貴重なお話が聞けますので。
我々研究者は、技術は持っていますがそれを世の中にどう発展させていくか考えた場合、やはりニーズを知っていないと広がってはいかないので、そういう情報を持っている企業の方との面談は大事に考えているんです。

(藤田)そういった面談を経て、実際に実用化に向けて連携を進めていくとなったときに、先生が企業様側に求めることなどはございますか?

(大日向)そうですね。最終的には人に使っていただくものですので、マウスなどでの実験だけでなく、最終的には人でのエビデンスをしっかり積み上げて、きちんと世の中に訴求できる態勢を組めることが大事かなと思います。

(松川)実は、そこはUHA味覚糖も昔からこだわっているところなんです。世の中には怪しい健康食品もありますが、UHA味覚糖自身が自信を持って世の中にアピールするためには人での検証が外せないというふうに思っていますからUHA味覚糖でも実は人試験システムみたいなものもつくり上げていましてね。お話をいただいたのもちょうどそのころでしたので、そういう意味でもタイミング的にマッチしていたというのはありますね。

製品化へのハードルと販促へ向けた戦略

(藤田)製品化の上で技術的な困難や苦労などはあったのでしょうか?

(大日向)ああ、それはありますよね。

(松川)多かったですね。皆さんご存じのようにラボスケールのものから産業的に可能なレベルにまで引き上げるためにはハードルがあるんですね。私も研究していたことがあるのでわかりますが、ラボでは基本的に試験管での作業ですもんね。

(大日向)小さい試験管やプラスチックの小さいチューブを使ってやっていますね。

(松川)そう、でも製品化しようとすると何百キロ、何トンというタンクレベルにしていかないといけない。そうなると、当該ペプチドの製造効率という部分でも試験管レベルとはまったく違ってきますし、あとコストですね。やはり商用的に世の中に普及させていくにはそれなりのコストで実現しなければならない。しかし当然粗悪品であってはならないわけで、クオリティを保ちつつそれなりにお手頃な健康食品、あるいは機能性素材に仕上げていただければならない。そこのスケールアップが非常に苦労しましたね。

(藤田)製品完成後の今、その商品をどのように展開されていっているのでしょうか?

(松川)大日向先生が発見されたソイデプレスタチンを、UHA味覚糖では「ソイ」と「リラックス」から名を取ってソイラックスという原料名にしているんですけれども、この原料をもとにした商品を「冴えるダイズ」と名付けて販売しております。見た目はタブレット状で、ポリポリ味わって食べるようなUHA味覚糖らしい、味のついたサプリメントに仕上げているんですね。で、こちらは特定のお客様をターゲットとして想定した商品ですから、スーパーやコンビニなど店頭に並ぶようなものではないです。

そういった場合の販路というのは、一般的な健康食品の場合もそうですが、EC販売、インターネットでの販売になってくるわけです。しかしながら、UHA味覚糖はまだまだEC販売に長けているとは言えなくて、足元の売上自体はまだまだなんです。

ただ、それは想定していた通りでして、と言いますのも、まだしっかりとヘルスクレームを謳えない状態なんですね。薬機法と言いますが、「食品は効能効果を謳ってはならない」という法律がありますから、この商品もまだ明確にお客様ベネフィットを謳うことができてないんですね。しかしながら、機能性表示食品制度が定まっておりますから、その機能性表示食品制度の中で、「冴えるダイズ」の成分であるソイラックスの機能を明確に謳うような準備を今しています。具体的にはさらなる臨床研究を実施することによってそれを論文化し、それをもとに消費者庁に機能性表示食品として届け出ようという動きをしているところです。

まあ、そこに行き着くにはまだ半年から数年はかかるかと思いますが、素材もあるし、製品もあるし、人試験をするシステム自体も整っておりますから、今年の5月ごろからスタートする予定ですので、近くこの商品をリニューアルして、ヘルスクレームも明確に謳い、デザインやキャッチコピーも刷新して大体的に販売していこうというふうに思っています。

あと、原料のほうも有効成分の高濃度化を進めるなど、マテリアル自体も改良しているとこです。

(大日向)ちなみにこれは鬼滅の刃を意識した柄ですか(笑)?

(松川)いやーこれはたまたまです。たまたま(笑)。

(藤田)松川さんがこの発明に出会って、共同研究をはじめたときから、その最終形というか、この「冴えるダイズ」のような商品をつくるというのは見据えておられたんですか?

(松川)明確なゴール図はなかったんですけれども、まず大日向先生が発明したソイデプレスタチンという有効なペプチドをきっちり含有したパウダー、原材料をまずつくろうという目標はありましたね。

そのソイデプレスタチンが○○パーセント含有されて、それが長期的に分解されず含有され、しかも○○円で販売できる、という大まかなゴールイメージがありました。言い換えると、それくらいのスペックであれば市場に広がっていくだろうと。まあマーケットイン発想っていうんですかね。そういう絵があったから、そこのゴールは見えていましたね。

それから次に据えている目標ですが、今私たちが持っているこのソイラックスパウダーという原材料は飲料にしたり、あるいは原末だけを高濃度で飲むようなスティック顆粒にしたりというようにいろんな商品化が考えられるんですね。ですので、これは今年はじめようと思っているんですけれども、3パターンの商品をつくって、どれが一番お客様に好評かというテストをしようと思っています。

もちろん「冴えるダイズ」は売り続けた上でということですけれども、そういうフレキシビリティを持たせて市場に支持されるようなベストな商品を探していこうと考えています。

イノベーティブとは前例のない海へこぎ出すこと

(藤田)1つできたから終わりではなくて、常にリニューアルして良いものをさらに良くしていくということですよね。安心安全だけじゃなく、そこまで努力をされているというのを今日はじめて伺って、今感動しております。

そのあたりのさらなる研究開発にも、大日向先生は協力されているんですか?それとも、そこはもうお任せされているというとこですか?

(大日向)今も協力はしていますよ。情報公開しながら一緒に進めて、松川さんのほうでつくったものを送ってもらって評価したり、こうやったほうが良いんじゃないかなとか提言したりしていますね。

(松川)本来、企業としては、発明者である大日向先生らの成果物、特許を使用させていただく契約だけでもいいはずなのですが、そうではなくて、弊社は、より面倒くさい(笑)、共同研究契約を結んでいるんですね。

そこには、私たちももっと当事者意識を持って研究開発に取り組みたいという意図がありました。もちろん研究で先生の上をいくことは到底無理ですが、ある程度近づきたいという思いはありましたので、共同研究契約を結んで、先生からいろんなアドバイスをいただいたり、あるいはこちらで出たデータを見てもらったり、もしくは私たちのデータで足りなかった部分を先生の研究で補完したり、というようなことをしたかった。その結果、学と産がオーバーラップできて、この重なりあった部分で化学反応みたいなものが起きているという実感がありますね。

(藤田)学と産がなかなか混じり合わない例も見てきましたが、今回は企業様側がそういう意識をお持ちだというところで全然違った相乗効果が生まれているみたいですね。

(大日向)そうですね、松川さんはアカデミックに理解があるインダストリーだし、私はインダルトリーに理解があるアカデミーだと思っていますので、だからお互いの自己を尊重して互いに高め合っていくスタンスで臨んでいるからいい結果につながっているんだと思います。

(藤田)確かに、先生と松川さんとの距離感がすごく近くて、友好的に進めてらっしゃるんだなぁという空気を私も感じています。

(松川)先生は基本的にポジティブ、楽観主義者だというのもあるんでしょうね(笑)。常に、次、次という発想を持たれていてそれが順調に広がっていったので前向きな議論ができましたから。

(藤田)それがイノベーションのキーポイントなんですかね?

(大日向)イノベーションって鬱々としていたら生まれないでしょ。

(藤田)鬱々としたときはこちらの「冴えるダイズ」が(笑)。

(松川)それと、先生は頭がいいから事前にリスクもいっぱい見えるんですよね。

(大日向)何をやるにもリスクは当然ありますから。ただリスクばかり気にしても仕方がないので、そこを避けながら上手く進めるってことが大事かなと思います。

(松川)リスクばかり見て、できない理由ばかり探していたら会社も前に進まないですもんね。でも先生は、そこを認識しながらもポジティブなところを見られて、どんどん前に進んでいかれるんです。そういうところが良かったですね。

(大日向)性格ですよね。

(松川)でもネガティブの芽を潰すために、安全性試験なども含め事前の準備はいっぱいやりましたね。これもせなあかん、あれもせなあかんと。

(藤田)クリアすべき課題はたくさんあったんですね。

(大日向)たくさんありました。でもクリアしてきたからね。

(松川)まあ当然会社の中でも、予算の問題とかいろいろあるわけです。そこを社内説得しながらどうやって乗り越えていくかですね。

(大日向)確かに、このジャンルって新しいから誰も見たことない。格好良く言うとブルーオーシャンなんですけど、前例がないので何もかも進みにくい。いろんな申請や決済などもスムーズにいかない。それでも実際にいいデータはあるし、前に進んでいきたいという気持ちでなんとかつないできたという感じですね。

そういう意味では、松川さんも大変だったでしょうし、我々大学のほうも大変、TLO京都さんも大変だったと思います。

(藤田)私としては、今回の研究はもともと農林水産省による「農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業」の委託事業として開始したものでしたので、省庁とのやり取りが大変でしたね。

農林水産省としては、国の産業をきちんと応援して、農水産業・食品産業というものを守っていかなければならないという立場がありますし、一方で、大学や企業の立場としては、実際にモノを開発して、製品として商業化していくという最終的なゴールがありますので、その狭間で、ではどこで線を引いていけばよいのか、というところをやり取りさせていただいていたんですけれども、行政機関などはやはりイノベーションというか、前例のないことに対してはどうして慎重になりますので。

でも、省庁にとっても今回の件が良い前例となってスタンダード化されていかれると思いますので、我々のやり方も次からはそこに合わせていければいいのかなとは思います。

(松川)省庁との調整や京都大学さんとの調整など、私たちの目に見ないところで、非常に苦労されていたんですね。今お話を聞きまして大変お世話になっているということを改めて実感いたしました。

製品化を叶え、またその先へ。

(藤田)そういった苦労や時間を重ねてできたこの「冴えるダイズ」という商品ができたときの感想、気持ちはどのようなものがありましたか?

(松川)うれしいと言うよりは、まずはほっとしましたね。で次に、本当にこれで売れるのかっていう恐怖がきましたね。ですから終わりとは思わなかったですね。次のスタートが始まったなぁ〜、またしんどいなぁ〜という気持ちのほうが大きいですね。

(大日向)そう、そう。大変なんですよ、いろんな人を説得して、いろんな予算も引き出して、みんなに協力してもらって前に進めていくというのは。だから実はこれで完成したように見えて、まだ赤ちゃんが生まれたところ、ここから大きく育てていかないといけないという。生まれてほっとしているけど、これから子育てが大変だなと、そんな気分ですね。

(松川)ああ、子育て。まさに、そうですね。

(藤田)では最後になりますが、この「冴えるダイズ」であったり、ソイラックスという成分であったり、こういう知財・商材を今後世の中にどういうふうに活かしていきたいか、この先の夢や目標を教えてください。

(大日向)研究の立場としては、今この「冴えるダイズ」という商品が第1弾として世に出ましたが、こういうジャングルがあること自体をどんどん世の中に広げていきたいですね。「食べて心を整える」という新しいジャンルがあることを。それは、食品に限らず医薬品であってもかまいませんし、実際にそういう取り組みも進めていこうとしています。

私は最近、「食を見つめ、食を引き出す」 というのをキャッチフレーズとしてよく言っているんですが、よくよく調べて、そこから良いものを取り出して、さらに活用するということを目指しているんですね。だから、みんなに活用してもらえてはじめて私はうれしいんです。論文なども出しますし、それはそれで大事な仕事ではあるんですが、やっぱりみんなに使ってもらって、「ああ、よかったー」と言ってもらうのを一番大切に思っていますので。そういうモチベーションでこれからも研究を続けていきたいですね。

(松川)メーカーとしては、私たちは食品の分野で、美味しい食品あるいはサプリメント、これが多くの人の健康に役立てるということをもっと広くアピールしていきたいですね。そのためにまずは「冴えるダイズ」のヘルスクレームをきっちり謳える形にして、それを1人でも多くのお客様に発信して知ってもらう、いいなと思ってもらう、続けてもらう。そういう広がりを早く実現したいなと思っています。ですから私の次の仕事は、出産後の育児ですね。

(藤田)TLO京都としてこれからもサポートさせていただきたいというのはもちろんありますし、私の個人的なお財布事情としては、これからバージョンアップされていくなかで、価格ももうちょっとお手軽なものになるとうれしいなと思っております。

(松川)はい、あの、最後に厳しいご指摘をいただきましたが・・・。

(一同)

(松川)まあ、当然普及させるためには、よりよいものをより安くの精神をもって、そこは頑張っていきたいと思っています。この商品は本当にいいものだと私自身確信しておりますので、将来はもっと普及して世の中に貢献していくものになると思っています。

(藤田)私もこれからの展開を楽しみにしています。大日向先生、松川さん、本日は誠にありがとうございました。

研究に対する熱い想い、発明の経緯から製品化に至るまでの苦労などが伝わってくる対談となりました。
今後も産学連携情報プラットフォーム Philo-では、株式会社TLO京都の製品化事例や最新発明情報を発信していきたいと思っております。今後もご注目ください。

本件に関してご質問等ございましたら、下記のリンクよりTLO京都に直接お問い合わせくださいませ。

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