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【メディア掲載、講座案内】世界初、無重力下での「産声byサウンドオブ生け花」の生成 、新たにアートイノベーション講座を開始
京都大学大学院総合生存学館アートイノベーション産学共同講座(代表:土佐尚子特定教授)は、京都大学大学院総合生存学館有人宇宙学研究センターの協力を得て、凸版印刷株式会社(東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴)と共同で、宇宙時代の新しいアートの生成に向けて、無重力(無重量・微小重力)環境下でのアート制作を実施します。
土佐特定教授とは、「産声 by サウンドオブ生け花」での事業化など、様々な取り組みをご一緒させていただいております。土佐特定教授、関係者の皆様の類まれな発想力、実行力から生まれた本PJも大変画期的なものであり、注目をしております。
京大オリジナル株式会社 担当者(ナレッジプロモーション事業部長川村)より
また、2021年11月に土佐先生を中心とした「アートイノベーション特別講座」を新たに開講いたします。アーティストが作品を生み出す際の思考ロジックを基に、その作品作りのプロセスをビジネスシーンに応用した思考法(アートイノベーション)を学ぶ講座となっております。
アート思考をビジネスに応用する方法を提供し、第一線で活躍する研究者やアーティストから直接フィードバックを受けることができます。
既存のアイデアをブラッシュアップし価値観をアップデートできる、絶好の機会となります。新たな価値創造に、既存の方法では限界を感じている企業のご担当者様も是非ご参加下さい。
https://www.kyodai-original.co.jp/open-academy/program/?no=36
記者説明会の様子がNHK 京都 NEWS WEBで取り上げられました。
土佐尚子特定教授について
主な作品にニューヨーク近代美術館コレクションの『An Expression』1993年のArs Electoronicaで招待展示したAIで感情認識する『ニューロベイビー』、2012年韓国麗水万博では、コミッションワークとして、「アジアの四神」の龍をメインストリートに張り巡らされた350mx30m幅のLEDスクリーンに龍を泳がせて、話題になった。京都五山建仁寺に奉納した『静寂』『雲の上の山水』、MIT Center for Visual StudiesのFellow時代に制作した『ZEN Computer』、ハイスピードカメラを使った『Space Flower』『Genesis』がある。2016年度文化庁文化交流使として指名を受け8カ国10都市を表敬訪問し、NY Times Squareのビルボード60台以上を使って毎夜『Sound of Ikebana』を1ヵ月間上映するなど国際的に活躍している。
本プロジェクトは、宇宙時代の到来をにらんで土佐教授のアート作品「産声 by サウンドオブ生け花」を微小重力下で作成し、新しいアートの生成をめざすものです。その元となった「サウンドオブ生け花」は、鮮やかな色彩の絵の具などの粘性液体に音の振動を与えて、各種の色が融合しつつ飛び上がる様を 2000 フレーム/秒の高速度カメラで撮影したビデオアートです。
「産声 by サウンドオブ生け花」は、赤ちゃんの産声で「サウンドオブ生け花」を制作するものです。
生命の誕生のエネルギーを表現した世界でひとつだけの産声の生け花、世界でひとつだけのアートを生み出し、すでに京大オリジナルを中心として事業化を行なっています。
一方で最近、はやぶさ2による小惑星への着陸と岩石収集、NASA による火星への無人探査機の着陸など宇宙に関する話題が多くなってきました。
さらにスペース X は民間人を乗せた宇宙船を地球周回軌道に送ったり月の周回旅行を行うことを計画しており、宇宙旅行が私たちに身近なものとなりつつあることを実感させてくれます。
アートは古い時代から人間の精神性と深く結びついており、宇宙時代にこれまでのアートとの付き合い方はどうなるのか、また宇宙時代に合致したアートが生まれるのかなどは重要なテーマです。
このような問題意識のもとで、アートイノベーション産学協同講座を運営している土佐教授と凸版印刷株式会社は、宇宙時代の新しいアートの生成に向けて「産声 by サウンドオブ生け花」を微小重力下で作り出す実験を実施します。
飛行機を放物線飛行させる(パラボリックフライト)ことで、機内に無重力(無重量・微小重力)状態を構築。「サウンドオブ生け花」の制作機材を機内に持ち込み、微小重力状態での「産声 by サウンドオブ生け花」の制作を行い、生命の根源の象徴である産声が宇宙時代にどのような新しい造形を生み出すか実験を行います。
本プロジェクトは以下のような意義を持っています。
- 微小重力下でアートがどのように変容するか、新しいアートが生まれるかなどの問題にチャレンジする
- コロナ禍で未来が不透明な状況で不安を抱える 人々に希望を与える
- 新生児の両親などに宇宙時代にふさわしいプレゼントとなる
- アートの産業への利活用を目指し、微小重力下での流体の3次元形状抽出の可能性を探る
本番のパラボリックフライトは、準備実験として実験室内に自由落下によって微小重力を作り出す実験装置を作り、微小重力下での「産声 by サウンドオブ生け花」を制作する実験を 5/19 の記者会見の時に実施。
すでに、これまでと比較して縦や横に大きく広がる美しい造形が得られることが確かめられており、本実験に向けて期待が膨らんでいます。